40代での初めての転職活動。それは不安と期待が入り混じる大きな挑戦でした。20年以上同じ会社で働いていた私は、業界も営業職も続けるという選択をしつつ、新たな環境を求めて一歩を踏み出しました。ここでは、私が実際に行ったステップを順を追ってご紹介します。同じように転職を考えている方の参考になれば幸いです。
実際は2023年12月にビズリーチなどの登録を始めて、内定まで約半年ほどの時間でした。これが早いか遅いかはわかりませんが、少なくとも私は1年単位の時間がかかることを覚悟のうえで臨みました。
履歴書と職務経歴書、証明写真の準備
まず着手したのは、履歴書と職務経歴書の作成です。現在は紙ベースではなく、WordやPDF形式での提出が不通になっているので、パソコンでの作成を前提に準備をしました。
履歴書はdodaなどでフォーマットをダウンロードできるのでそれを使えば問題ないです。
特に職務経歴書は、自分のキャリアを棚卸しする絶好の機会。20年以上の職歴を時系列に書くだけでなく、実績や工夫した点を「数字」で表現することを意識しました(例:売上〇%増、得意先数△件拡大 など)。
証明写真はスピード写真を利用しましたが、データでもらえるところが良いです。
今思えば写真スタジオで撮影してもらえばよかったとも思っています。第一印象の大切さを考えると、「信頼感のあるビジネスパーソン」に見えることはかなり大事な要素です。私は営業の現場職ですが、例えば部長職など管理職待遇の転職活動をされる方は写真はこだわったほうが良いと思います。
ビズリーチに登録
「すごいな!ビズリーチ!」でお馴染みのビズリーチへまず登録をしました。
履歴書・職務経歴書の準備が整った段階で、まず登録したのがビズリーチです。40代という年齢を考慮すると「即戦力」を求める求人が多いプラットフォームの方が適していると判断したためです。
登録後、スカウトが届くまでには少し時間がかかりましたが、丁寧に職務経歴を入力したおかげか、徐々に企業やヘッドハンターからのメッセージが届くようになりました。
実際に数えてみると40代、営業のみのキャリアでも内定までに21社のコンタクトがありました。給与面や勤務地など物理的な部分で会わない会社はお断りをさせていただきましたが、それ以外は出来るだけ前向きな返信をするように心がけました。『数打ちゃ当たる』『カジュアル面談でも経験値が増える』という意識があったからです。もちろん中には求人自体が魅力的で本気で臨みたい非公開求人もいくつかありました。
実は今も登録は続けていて転職後も10社ほど来ています。
ちなみにビズリーチに記載した職務経歴書は約3000文字ほどとなりました。一般的に1000文字以上を推奨しているようですが、20年勤めた会社ならそれぐらいは書くことがあるのではないかと思います。
作成した職務経歴書などをもとに転職エージェントへ登録
次に、転職エージェント数社に登録しました。登録時にはビズリーチで入力した職務経歴をベースに、それぞれのエージェントサイトにあわせてカスタマイズしました。ビズリーチの職務経歴書はある程度フォーマットに合わせて記載するものなので、Wordで同内容を作成しなおし、そちらをアップロードして登録しました。
登録したエージェント・転職サイト
- ◎リクルートエージェント
- ◎Dodaエージェント
- ◎ビズリーチ
- ◎JACリクルートメント
- ◎エンワールドジャパン
- Doda(求人検索用)
- リクナビNEXT
- ambi
- ミイダス
- ミドルの転職
- 転職会議
- リクルートダイレクトスカウト
一気に登録を進めたわけではなく、一つを登録すると五月雨式に登録をせざるを得なくなる場面があり、徐々に増えていきました。20代の転職に強い会社もあり、必ずしも40代の転職には会うわけではなかったのですが、特に「◎」のついたところにお世話になりました。
またビズリーチ経由で接触をしてくるヘッドハンターもありました。ヘッドハンターと言っても実際はエージェントの営業なのでリクルートエージェントなどと同じです。実際JACリクルートメントはビズリーチ経由で知り合いました。またエンワールドジャパンはミドルの転職経由でオファーをいただいたのがきっかけでお世話になりました。実際はこれ以上に書ききれないエージェントからのオファーがありました。
転職エージェントからの連絡に伴い、カジュアル面談
登録後、エージェントから連絡があり、最初はカジュアルな面談(オンライン)を実施。ここでは、今後のキャリアの方向性や希望条件(年収・勤務地・職種など)をざっくばらんに話しました。
ただ、注意が必要なのはこちらから登録したエージェントは希望に沿う形で求人を紹介してくれますが、ビズリーチや転職サイト経由の場合、特定の求人の案内のために接触してくるのでカジュアル面談後、その求人に応募するかどうかを迫られるという感じでした。そこは実際の求人が魅力的かどうかで判断すればいいと思います。また、応募にあたり不安なことがあればそれは遠慮なく聞けば大丈夫です。
エージェントおすすめの求人のチェック
面談後、エージェントからおすすめ求人がメールや専用ページを通じて届きます。1件1件目を通し、自分に合いそうなものをピックアップしていきました。そして実際に気になる求人は応募してみたりもしました。
実際に数百の求人とにらめっこしながら日々求人を眺めていると魅力的に映るものもあれば、「20代が欲しいんだろうな」とか、「度のエージェントにもこの求人載っているな」とか、求人の癖みたいなものが見えてきます。自分なりに「ここは応募するのは危険!」と思う求人もあり、たくさん見続けることで自分なりには判断基準ができてきました。
書類応募
応募したい求人があれば、エージェントを通じて書類提出です。昔の求人の応募は紙の履歴書を送るのが一般的でしたが、今はWEB上でポチポチやる感じなので応募と言ってもあまり実感がわかないまま進んでいく印象がありました。そして書類の通過率は決して高くはなく、10件応募して1件通過するかどうかという印象でした。実際、通過確率を計算している会社もあり、40代だと13~15%ぐらいとの話でした。私の場合は、10%ほどでした。この確率論で行くとエージェントの立場では応募軒数を上げることが求められるのですが、実際の応募は自分の判断でいいと思った企業にだけで十分だと思います。
応募する書類(履歴書・職務経歴書)に関しては事前に登録時に提出した書類を添削してくれたりもするのでそのあたりは大変助かりました。私の場合は最初に登録したdodaの担当の方にやってもらいました。
ビズリーチから来たメッセージに基づき、ヘッドハンターとの面談
ビズリーチ経由でメッセージをくれたヘッドハンターや企業担当の中には、直接面談(オンライン)を提案してくれる方もいました。ビズリーチの場合はヘッドハンターがコンタクトを取ってくる場合と採用企業の人事担当などが直接コンタクトを取ってくるケースがあります。
そこにも興味がある求人ならば面談を受ければいいと思いますし、興味がない求人なら無視するのもありですが、出来るだけ丁寧に返信をしたほうが良いと思います。
面談では、私のキャリアに合った非公開求人を提示してくれることもあり、「この年代ならではの選択肢」や「魅力的な求人」がありました。まさに「すごいな!ビズリーチ!」です笑
ヘッドハンター案件の応募
ヘッドハンターから紹介された求人に対しても、書類を提出して応募を進めました。エージェント経由よりも、年収やポジションが高めの求人が多い印象でしたが、求められるスキルや即戦力度合いも高く、慎重な判断が必要でした。ビズリーチで応募の可能性のある求職者にメールを送るのも費用が発生するので連絡が来た時点である程度、ヘッドハンターのお眼鏡にかなっているケースが多かったです。とりあえず、送っとけ!みたいなのはなかったように思います。
また、ヘッドハンターとのやり取りの中で、「面接対策の質」が問われる場面もあり、自己分析をより深める必要がありました。
毎日届く山のような求人のチェック
ビズリーチ、各エージェントから届く求人情報は、毎日かなりの量になります。正直、全部目を通すのは大変ですが、希望条件に合う求人を逃さないためにも、日々のチェックは欠かせませんでした。
特に、条件面での優先順位(勤務地>年収>業界 など)を明確にしておくと、効率的に取捨選択ができます。
他のエージェントにも登録
ある程度活動を進めたあと、他のエージェントにも追加で登録しました。理由は、既存のエージェントとの相性や提案の幅を広げるためです。また、ビズリーチ経由できたエージェントで具体的に話が進むエージェントは登録の必要がありました。自分から登録したエージェントよりもビズリーチ経由で登録したエージェントの方が、最初に持ってきた求人が合わなくても、私に合うと判断された非公開求人を持ってきてくれるケースもあり、私はビズリーチ経由からのコンタクトの方が相性が良かったと感じていました。
結果として、より自分にフィットする求人を紹介してくれるエージェントと出会え、面接につながる案件もありました。
応募の結果の確認
応募後は、エージェントやヘッドハンターを通じて結果が伝えられます。通過すればもちろんうれしいですが、実際はほとんどが不採用です。90%書類で落ちました。こんなものかと思います。
そのたびに落ち込まず、改善点があればエージェントに確認し、次に活かすよう努めました。
書類合格し面接へ
最終的に50社ほど応募をして、面接したのは5社でした。最終的には同業他社へ転職しましたが、この時点では同業他社とは決めていなかったので、意外な企業で書類通過するケースもありました。
面接に関しては5社中、4社が1次面接はオンラインでした。2次面接以降まで行ったのが2社でその2社はどちらも対面の面接でした。(どちらも2次面接が最終面接でした)
面接対策
面接対策は、エージェントの協力が非常に役立ちました。よく聞かれる質問への回答例や、企業ごとの特徴をふまえた対策を一緒に考えてもらい、自信をもって臨むことができました。
実際は5社中、3社のエージェントが対策をしてくれ、別に1時間ほどオンラインで面談を時間を作ってほしいと連絡があり、その面談でどんな質問が想定されるか、過去にどんな質問があったかなど、担当者がわかる範囲で教えてくれ、こういう答えを望んでいるなど具体的な指導をしてくれた方もいらっしゃいました。エージェントにもいろいろありますが、その企業を担当している営業が求職者と面談している場合はこういった具体的な情報を教えてくれることもあります。この担当者で最終面接まで言った会社あったのですが、そこは残念ながら落ちてしまいましたが、別の非公開求人を紹介してくれたりもしました。
そして面接対策として「なぜ今転職するのか」「なぜその企業なのか」「自分が貢献できることは何か」といった質問は繰り返し練習しました。
この頃から面接と書類応募、エージェントとの面談など並行して行う
活動が本格化してくると、面接、書類応募、エージェントとの面談など複数の工程が同時進行になります。どの案件で何をしているのか、どの段階にあるのか、整理しながら対応することが求められました。ここは営業職の腕の見せ所ですね!スケジュール管理は営業職の基本です(もちろん他業種でも同じですが)。現職の仕事のスケジュールと転職活動のスケジュールが重ならないようにするのは意外と大変でした。私の場合は出張もありましたし、残業もありましたので時間調整は特に注意が必要でした。
ただ、基本的に面接以外は現職の業務後で対応してもらえるので遅い時間だと20~21時ごろまで対応してもらいました。
私はスプレッドシートを活用し、企業名、選考状況、担当エージェント、次回のアクションなどを一覧にして管理しました。これにより、情報の混乱を防ぎ、スムーズに対応できました。
企業の面接やエージェントとの面談の日程調整
スケジュール調整もこの時期には大きな課題になります。特に現職が多忙な方ほど、平日の夜や土日しか時間が取れず、日程のやりくりが難航しました。
私はあらかじめ「面接可能な曜日・時間帯」をエージェントに伝えておくことで、候補日の調整をスムーズに進めるよう工夫しました。実際に最終面接まで行って落ちてしまった企業は候補が私ともう一人いて、私が出張ですぐに面接が受けられない状態が続き、1時面接通過後、3週間ほど間を空けてしまいました。やはり間が空きすぎると面接自体してもらえないケースもあるようで、私の場合は企業側が候補者全員と面接をして判断したいということで面接はしていただきましたが、先に面接をした方が優秀だと判断されれば、面接ができないまま終わってしまうケースもあるはずです。その点は注意が必要だと思います。
適性検査対策
一部の企業では、SPIや性格診断、Webテストなどの適性検査を課してくる場合があります。久しぶりに問題を解くという感覚に戸惑いましたが、対策本を1冊購入し、通勤時間などを使って練習しました。
特に非言語分野(計算問題など)は慣れが必要なため、早めに対策しておくと安心です。
面接での想定問答の作成
面接本番に向けて、よくある質問への答えをあらかじめ文章化しておく作業も行いました。特に、「自己紹介」「職務内容の説明」「転職理由」「志望動機」「強み・弱み」などは鉄板の質問です。
口に出して練習することで、言葉に詰まらず自然な表現ができるようになりました。エージェントとの模擬面接を通じてブラッシュアップもしました。そしてこの練習を通じて、自分がどんな風に20年を過ごしてきたのか改めて考えるきっかけにもなりました。
正直、これを考えることができるだけでも転職活動をする意味はあると思います。自分を振り返ること、自己分析をすること、他社に分析してもらうこと、これらが出来ると結果的に転職はしなくても自分自身のこれからに役に立つはずです。
40代での初めての転職活動は、想像以上にエネルギーを使うものでしたが、自分のキャリアを見つめ直す良い機会にもなりました。一つひとつのステップを丁寧に取り組んだことが、転職成功につながったと感じています。
これから転職を考える40代の方にとって、この記事が少しでも道しるべとなれば幸いです。
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