【営業職のリアル】BtoBもBtoCも!営業スタイル×商材タイプで「あなたに合う仕事」が見えてくる

転職活動における心の持ち方

こんにちは。当ブログの筆者は、20年以上BtoBの営業職として働いてきました。
前職では、有形商材を扱う法人営業で、ルート営業を中心に一部新規開拓も担当していました。現在は、同じくBtoBですが、新規開拓営業がメインのスタイルに変わり、前職時代の顧客と引き続き一部取引も行っています。

これまでの営業経験を通じて感じたのは、「営業職と一口に言っても、内容は職場や職種、顧客によって全く違う」ということです。

この記事では、営業職を
①誰に売るか(BtoB/BtoC)
②どう売るか(営業スタイル)
③何を売るか(有形/無形)
という3つの観点で整理し、それぞれの特徴や向いている人の傾向をまとめました。

これから営業職に就きたい方、転職を考えている方にとって、職種選びのヒントになれば嬉しいです。

営業職はどう分類される?BtoB/BtoC × 営業スタイル × 商材タイプで整理しよう

営業職を考える上で重要なのは、「誰に売るのか(BtoB/BtoC)」「どんなスタイルで売るのか(ルート/新規開拓など)」「何を売るのか(有形/無形)」という3つの観点です。

この3つを組み合わせることで、自分に合った営業職を明確にイメージできるようになります。

まずは基本の2分類:BtoBとBtoC

BtoB(法人向け)営業

企業や団体など、法人を相手にする営業です。論理的な説明や提案資料、関係構築力が求められます。

例) メーカー営業、卸売営業、ITシステム営業など

BtoC(個人向け)営業

個人顧客を相手にする営業。感情面に訴えるトークや信頼感が重視されます。

例) ディーラーでの自動車販売、百貨店の店員、保険外交員など

営業スタイルの違い

ルート営業

既存顧客への定期訪問が中心。信頼関係の維持・提案がメイン。

すでにその企業のお取引先を担当することになるので営業としては会社の看板を背負って営業に行くことにはなりますが、その看板のおかげで基本的な商談等はスムーズにいくケースが多いです。

そのため、未経験でも一番取り組みやすい営業職の一つです。

新規開拓営業

まだ取引のない顧客へのアプローチ。テレアポ・飛び込みなどが含まれます。

新規開拓営業は現職の私の所属する部署のスタイルですが、飛び込み、テレアポで接点を持ち、その後アポイントを取って正式に商談する形をとっています。断られるケースがほとんどのため、基本的に数をこなす必要があり、慣れていないと精神的にきつい営業スタイルでもあります。たまに新規営業がすごく得意な「能力者」たる人がいます。

インサイドセールス

非対面型の営業。電話やメール、Web商談などで商談を行います。

非対面のため会社を出ることなく、商談が進められるのがメリットです。日々電話をするような相手なら顔を合わせなくても人間関係を構築することも可能です。ただし、顔を合わせない分クレームなどがあったときは厳しい対応を迫られるケースもあります。

以前、ネット販売店の従業員と話したときに顔を合わせないのでクレームが本当に厳しいと言われていました。相手も顔を知らないので言いたいことを言ってくるようになるらしいです。

カウンター営業

来店・問い合わせのあったお客様に商品を提案する反響型営業。接客力が重要。

百貨店や不動産屋、車のディーラーやメガネ屋などが浮かびます。基本的にはBtoCの接客業になります。待ちになるので来店がないと売り上げが上がらないのでチラシやSNS等での集客、また口コミが大切になってきます。

ソリューション営業

課題発見・解決提案型の営業。コンサル的なアプローチが求められます。

コンサルタントやIT系の営業はこれに当てはまります。ただ、どんな営業でも顧客と深くかかわる中でソリューション営業が必要になる場面は多く、どんな営業スタイルでも必要なスキルになってくると思います。

有形商材と無形商材:営業スタイルにどう関係する?

有形商材とは?

目に見える「モノ」を売る営業です。物理的な形があるため、説明しやすく、顧客の実感も得られやすいです。

例:

  • 食品・飲料・文具・日用品(ルート営業)
  • 自動車販売(カウンター営業)
  • 製造業向けの機械設備(BtoB新規/ルート)

無形商材とは?

形がないサービスや概念を売る営業です。説明力や信頼性、課題解決力が求められます。

例:

  • 保険商品(BtoCカウンター/ソリューション)
  • 人材派遣・紹介サービス(BtoBソリューション)
  • SaaS/クラウドサービス(BtoBインサイド/ソリューション)

営業職の組み合わせ分類:具体例でイメージしよう

分類商材営業スタイル具体例
BtoB × 有形製品・設備機器ルート、新規工場向けの工作機械、包装資材など
BtoB × 無形SaaS、人材、広告インサイド、ソリューションクラウドシステム提案、人材紹介、Web広告運用
BtoC × 有形自動車、家電、不動産カウンター、新規カーディーラー、家電量販店、不動産仲介
BtoC × 無形保険、金融、通信カウンター、ソリューション保険ショップ、FP相談、通信サービス案内

おすすめの営業職はどれ?

基本的な難易度

  • BtoB < BtoC
  • 有形商材 < 無形商材
  • ルート営業(既存) < 新規営業

BtoB<BtoC

これは異論のある方もいらっしゃると思いますが、私は両方の経験があり、その経験を見てもBtoBの方が最終的にはやりやすいと思っています。BtoCで既存(常連)を相手にするのはどちらかというと少なく、カウンター営業の場合は基本的に新規客が多いでしょうし、相性が悪い相手でも断りづらいという一面があります。

有形商材<無形商材

有形商材は、扱う商品にもよりますが、比較的消費者になじみのあるものも多く、食品や飲料、自動車や電化製品などは好きで仕事にしている方もいるぐらい取り扱いはしやすい商材です。

無形商材はシステムや保険など形のないもので一般的に有形商材と比較して利益率が高いとされています。その分販売するのが有形商材に比べて難しいです。

一度、転職活動中に「社内研修」をコーディネートして販売する会社を受けました。実際に面接担当官からも「研修を販売するのは難しい」とはっきり言われました。

ただ、完成までに顧客とのやり取りが多く、納品(実装)までに時間のかかる無形商材を取り扱う営業経験者は転職活動においても有利に働くと思います。

未経験者におすすめ

  • BtoB × ルート × 有形:地道に関係構築できる仕事(例:食品ルート営業)
  • BtoC × カウンター × 有形:来店対応型でわかりやすい商材(例:自動車販売)
  • BtoB × インサイド × 無形:リモート営業可能で効率的(例:SaaS)…若手なら

この中でも有形商材を扱い営業は、扱っている商材になじみがある分未経験者でも取り組みやすいと思います。その中でも個人的には「BtoB × ルート × 有形」が一番やりやすいと思っています。

BtoB × インサイド × 無形」は未経験でもリモートも出来、効率的ですが、40代が未経験で飛び込むには難易度が高いと思いました。実際に何社か応募してみましたが書類選考すら通らなかったです。

ただ、無形商材でもインサイド営業ではなく、対面型の営業なら可能性はあると思います。それでも例に書いたSaas業界などは40代の昭和世代ではなく、20代の若手を求めているのは間違いないと思います。これは実際に応募して可能性を探ってみてください。一応、私は50社応募のうち5社面接をしていただきましたが、そのうちの2社は無形商材でした。

キャリア志向の人におすすめ

  • BtoB × ソリューション × 無形:提案力を活かせる(例:IT・人材)
  • BtoC × ソリューション × 無形:課題提案型(例:FP、保険営業)

こちらも本来は20代からこの世界に飛び込んで経験を積んだ先に広がるキャリアだと思います。先ほども書きましたが、ソリューション営業はどんなものを扱っていても発生する営業スタイルです。以前からコンサル営業と言われるものです。

相手の悩みに寄り添い解決に導く、そんな営業がに憧れた人は多いのではないでしょうか。私自身も最初は経営コンサルタントになりたくて、新卒時はその道では有名な会社も受けました。結果的に有形商材を扱う会社に就職しましたが、それでもコンサル的な営業は実践することになりました。

特定の業界のソリューション営業に特化してキャリアアップを図るという意味では伸びている業界を選べば可能性は十分にあります。ただ、これも若いうちからキャリアを磨いていく前提なので40代がいきなり未経験で飛び込むにはハードルが高いと思われます。

BtoBとBtoCはどちらがやりやすい?

BtoBがやりやすい人

  • 論理的に考え、提案するのが得意
  • 1件1件に時間をかけて取り組みたい
  • 仕組みや課題解決に興味がある

BtoCがやりやすい人

  • 感情に寄り添った営業が得意
  • スピード感のある業務が合う
  • 人と接するのが好き

私個人的にはBtoBなのですが、これはどういう経験を取ってこられたかによって大きく変わるところです。同じBtoBでも例えばワンオペの個人商店となると店主個人の感情や主観に寄り添って営業することが多くなるのでBtoCに近い感覚があります。例えば、飲食店が取引先の主である場合は個人店に行くケースもあるでしょうから、軒数が多い分、BtoBでも1件1件じっくりというよりはスピード感が求められます。まさにBtoCに近いですね。そのあたりのどちらが自分の適性に合うか考えてみるのも大切なことだと思います。

まとめ:自分に合った「売る相手・方法・モノ」を見極めよう

営業職は「誰に」「どうやって」「何を」売るのかによって、まったく異なる仕事になります。まずは自分の性格・希望する働き方・身に付けたいスキルを考えたうえで、自分に合った営業職を見つけましょう。

転職活動では、業界や商品だけでなく、「営業スタイル」と「商材の特性」にも注目して企業選びをすると、ミスマッチを防ぎやすくなります。

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